怒らない、叱らない励ます、そんな育児書をいくつか読んできましたが、この本が一番目標が低くて現実的。
既にお子さんに怒鳴ってばかり・・・という親の初心者本です。
10回どなるのを6回に減らす
著者は、2児の父親。
茅ヶ崎市役所こども育成相談課職員として『どならない子育て練習講座(そだれん)』を開設し、各地に広げています。
ざっと探しただけでも、茅ヶ崎市だけでなく、東松山市、川口市、渋川市、新潟市、新座市、生駒市、南足柄市などなど関東を中心とした自治体で『そだれん』が広がっています。
この「そだれん」、とっても目標が低く、気楽に取り組めます。
私も皆さん同様、我が子のしつけに苦労している親の一人。
どなるなんて日常茶飯事でした。
しかし、私自身も「どならない子育て」を実践することで、わが子が素直に謝る姿を見ることができました。
いや、事前に言っておきますが、魔法のように変わったわけではなく、「この場面、このテーマならうまくいく(こともある)」という程度。
でも、いままで10回モレなくどなっていたことが、6回になった。
それだけで、親自身が本当にラクになります。
次に子どもも変わる。
機嫌のいい時間が増える。
でも、やっぱりどなる場面ではどなっちゃうんですけどね(笑)。
前書きから、こんな感じで目標がと〜っても低い。
以前読んだ、怒らない育児を提唱している河村京子さんは、ご自身がお子さんに怒ったことがないし、↓
三宅美絵子さん著の「0歳からのアドラー流怒らない子育て」でも、怒ってしまったエピソードは出てこない↓
そんな本を読んでしまうと、1回でも怒ってしまったら「あっちゃ〜、また怒っちゃった」と親自身が凹んでしまいそうですが、こちらの本は違います。
「怒っちゃうこともあるでしょう、でも回数を減らしましょう」と、ハードルがかなり低い。
「怒らず、行動を褒める」という根本的な所は、上記の本と一緒なのですが、「ほめる=幸せで楽しい子育て」の幻想を捨てましょう、「ほめる=効率的なしつけ」と理解しましょう、と肩の力を抜いて取り組める育児法なのです。
叱りたくなってしまったら?
まずは、シンプルな言葉で具体的に。
「いいかげんにしなさい!」では、子どもがどうしていいか分からない。
確かに、そうですね。
「ちゃんとして!」も、どう「ちゃんと」すればいいか、伝わりませんよね。
何をすればいいのか、具体的な行動として伝えるのが重要、だそう。
それから、肯定的な言い方にする。
「◯◯しないで!」とよく言ってしまいますが、そう言われてもどうしていいのか子どもは困ってしまう、のだそう。
「その椅子に座らないで!」でなく、「その椅子じゃなく、ソファの方に座ってくれる?」と言われたほうが、行動しやすい。
確かに、ごもっともです。
どうやって褒める?
褒めるコツは3つ。
- 現在の問題行動をひっくり返してほめる
- スモールステップでほめる
- 前回の成功を次回に生かす
1は、「いつもしかっていることを、していないときにほめる」ということ。
例えば、ソファの上を跳ねてしまう子に対して、ソファに座っている時に「ソファにすわってるじゃん!えらいね!」とほめる。
2は、例えば「着替えができる」ということに対して、着替えができたらほめるのではなく、タンスの前に行ったらほめる、洋服を出したらほめる、ズボンを脱いだらほめる、というように小さな「できた」をスモールステップでほめる。
3は、「昨日もできたから、きっと今日もできるよ」と励まして、成功体験を積み重ねるということ。
なるほど。
うちの子、反抗してばかりでほめることないわぁ、という場合でも、これならできそうです!
こちらの本では、このような叱り方と褒め方をマンガのケーススタディで具体例を挙げて示してくれます。
どのケースも「お菓子を買って攻撃が激しい6才女の子」「前を向いて食事をしない4才男の子」「人前で汚い言葉を言う5才男の子」「ダラダラ片付ける7才女の子」など、あるあるな場面ばかりでとても参考になります。
どならないチャレンジ
こちらの本の最後には、実際に「どならない子育て」を5日間チャレンジした8組の親子が紹介されています。
どのケースも、「やっぱり怒鳴ってしまった」という場面は出てきますが、「それでもOK、どなる数が少しでも減って、ママの気持ちがラクになれば、それでもう大成功」との評価。
大人だって完璧は難しい。
ママもスモールステップで成功体験を積んで少しでもラクな子育てを!と、完璧を目指さなくても良いんだよ!と、背中を押してくれる優しい本です。
3歳以上の子どもに対する接し方がメインに書かれている本ですので、魔の2歳児の対処法には当てはまらないかもしれませんが、子育てストレスを少しでも減らしたいママにおすすめです!
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