タイトルに興味を惹かれて手に取ったこちらの本。
タイトルやまえがきからは分からなかったのですが、どうやら、「我が子は普通じゃないかも?」「我が子をかわいいと思えない」という場合に読む本のようです。
我が子をかわいい、と思えている方は不要でしょう。
自閉症スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)を示す、発達障害という言葉をよく耳にするようになりました。
有名人が自らの発達障害を告白することが増えているからでしょうか。
モデル&タレントの栗原類さん、セカオワの深瀬慧さん、黒柳徹子さん、海外では、トム・クルーズさん、パリス・ヒルトンさん、ブリトニー・スピアーズさんなどなど。
ご自身も社会に適合していくのに辛さを抱えていると思いますが、その母親も辛いようです。
こんなエピソードが紹介されています。
男の子がお母さんに連れられて、深刻な様子で相談にやってきました。
「うちの子は、他の子どもたちと違う行動ばかりするのです。」わたしと二人だけになると、男の子は、そっとやってきて、
「あのね・・・、お母さん、ぼくのこと嫌いなんだよ・・・」
「そう?」
「だって、お母さんって、ぼくを怒ってばかりいるんだ」
「そうなの?お母さん、◯◯くんのこと好きだと思うけどなあ・・・」
「先生から電話がかかってきて、お母さんがぼくを怒って、そのあと、お母さん泣いちゃうんだ。ぼくなんて、生まれてこなければよかった。」
心優しい子どもたちから、なんどこの言葉を聞いたことでしょう。お母さんと二人になりました。
「どうやら◯◯くんは、お母さんに嫌われている、と誤解しているみたい。お母さんの本当の気持は伝わってないのかなあ・・・」
お母さんはびっくりしたように空を見つめていました。
が、やがて涙がぽろぽろと落ちてきました。
こんなに子供のことを思っているのに伝わらない。
どんなに努力しても良い子にならない。
誰より、一生懸命子育てして、毎日毎日へとへとに疲れているのに。
他の子どもたちと違う行動ばかりする我が子。
平成24年文部科学省の全国調査では、地域の公立小学校の通常学級に通う1年生の約9.8%の子どもに発達障害の疑いがあると報告されているそうです。
およそ10人に1人。
特別支援学級の子は含まれていませんから、かなり多い印象です。
2004年に発達障害者支援法が制定され、それまで支援の対象外だった知的障害を伴わない発達障害も行政支援の対象となりました。
そして、2016年にも改正が行われ、国や地方自治体の責務が明確化されています。
それでも、支援を受ける側も支援する側もまだまだ理解が進んでいない。
著者は、一人で悩まずに早めに地域の支援センターに相談することを勧めています。
こちらの本、具体的例示が少なく、今実際に悩んでいる母親でなければあまり入り込めない印象でしたが、子どもを幸せにする考え方を31個紹介しています。
例えば
子どもを幸せにする考え方 その19
母親らしい気持ちは、子どもとの関係性から育まれる。
子どもがもし脳に機能障がいがあったなら、誰が母親であっても育てにくいし、子どもをかわいく思えない気持ちになる。
そんなときは、自分を責めないで、子育てを一緒に助け、励まし、楽しんでくれる人の近くに行こう。
自分がいっぱい助けてもらおう。
そしたら子どもに優しくできる。
幸いにも自分の子どもは、まだ今のところ発達障害的な問題行動はありませんが、新生児期にあまり泣かない赤ちゃんだったので、自閉症では?と心配したことがありました。
ネットでいろいろ調べて一人で悶々とする日々。
そのうち普通に?泣くようになり、悩みも消えていきましたが、精神的に良くないですよね、一人で抱え込むの。
東京都であれば、こちらのページから↓各区市町村の相談窓口を検索できます。
また、こちらのページは↓、障害者雇用支援をされている株式会社LITALICOが運営する発達障害のポータルサイトです。発達障害に関する質問を受け付けていて、同じ悩みを抱える利用者からアドバイスをもらえます。
最後に、著者のオフィシャルサイトはこちら↓。
東京都八王子市で星山研究スタジオを運営され、支援活動をされています。
著者の顔写真も紹介されています。
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