もし癌になったら?/『あきらめないがん治療のための8か条』レビュー

2017年6月22日、ステージⅣの乳がんと闘った小林麻央さんが亡くなりました。
2016年6月9日に乳癌であることを公表し、あきらめない姿勢をブログで綴っていらっしゃいました。
奇跡が起こるんじゃないか、と思わせてくれましたが、そうはならなかった。
34歳という若さ、2人のお子さんを思うと、切なくなります。

そんな中、ふと目にしたこちらの本。

著者は、福岡市博多区に「医療法人慈生会福岡がん総合クリニック」を開業されている、がん治療専門医。

404: ページが見つかりませんでした | 医療法人慈生会福岡がん総合クリニック

上記ホームページの院長メッセージではこう語られています。

がん拠点病院で「治療をあきらめられた」患者さんに対しても、国内未承認薬や免疫細胞療法、食事療法などの代替医療を駆使して全力で、「がん」のコントロール、つまり長期のがんとの共存を目指します。

自分や家族が末期癌と宣告されたら、セカンドオピニオンとして是非受診したい病院ですね。

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ステージⅣのがんとは?

「ステージⅣのがん」と聞けば、末期がん→余命はホスピスケア、とイメージしてしまいがちですが、ステージⅣと末期は違う、ステージⅣでも治療の選択肢はある、と著者は説いています。

人間には脳、肺、肝臓、腎臓、心臓血管、骨髄など、生きていくうえで絶対必要な臓器があります。
これらを「重要臓器」と呼びます。
重要臓器の機能ががんによって大幅に失われ、どんなに手を尽くしても回復の見込みがない状態に至った段階ー。
これが本当の末期です。

がんのステージは、原発巣(最初にできたがん)の浸潤具合、リンパ節転移の範囲、転移の有無の組み合わせで、Ⅰ〜Ⅳ期までの4つに分類されるもの。
このステージ分類だけでは、重要臓器の危機度は判断できません。

でも、ステージⅣでさらに、医師から「もう治療法はありません」と言われてしまったら?
それでも希望は捨てないで、と著者は述べています。

あきらめないための選択肢

まず著者が挙げる選択肢は、①セカンド・オピニオンを求める。
2006年の保険制度改変でセカンド・オピニオンを紹介した医療機関に保険点数がつくようになりました。
がんの標準治療でもう選択肢がない場合は、「セカンド・オピニオンを求めたいのですが、標準治療以外で信頼できる医師をご存じないでしょうか」と主治医に相談してみるのが良いと著者は薦めています。

次の選択肢としては、②臨床試験(治験)に参加する、という方法。
がんの研究は日進月歩。どんどん進化しています。
もしかしたら、自分のがんに効く薬の開発が進んでいるところかもしれません。
国立がんセンターが提供しているホームページで、臨床試験を実施している医療機関が調べられます↓

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そして、最後に③未承認薬を使う、という選択肢も紹介されています。
2016年に「患者申出療養」という制度が始まりました。
未承認薬でも患者が医療機関に申し出ることによって未承認薬でも使えるようになる、という制度。
保険適用の治療しか行えない医療機関でも患者自身が自費診療を希望して病院に認められれば、混合診療が行えることになります。
ただこの場合、自己負担する治療費が膨大になることが想定されます。

健康保険でカバーできない部分は、民間保険を利用するしかありませんね・・・
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がんは、まだまだ死に直結したイメージのある病です。
もし自分がステージⅣの癌だと診断されれば、余生を楽しく生きよう、と治療を拒んでしまうかもしれません。
日本国民の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっている、こんな現代では、いつ自分も癌になってもおかしくありません。
そんな時、闘う気持ちを思い出すために、こちらの本を読んでおいて良かったな、と思いました。

元気になる癌闘病記

こちらの本では、常に前向きの姿勢を失わないでもらいたい、という思いで、読むと元気になれるがん闘病記も紹介されています。

がん治療専門医が推薦する本ですから、眉唾ものは除外されていると思います。
私の予約ライブラリーにも入れておきます!

さて、こちらの本、癌になっていない人も読んだ方が良いのでは、と思える本でした。
いざ癌になってしまったら、うろたえてしまいますからね。
エビデンス(根拠)がしっかりしていない民間療法に頼る前に、先端医療を挑戦してみるべき!、そんな希望を与えてくれた本でした。

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