エチカの鏡で有名になったヨコミネ式保育園。
園児たちが、軽々と片手側転をしたり、2000冊もの本を読破したり・・・
最近、たまたまYoutubeで数年前の番組動画で驚きの園児達の映像を目にし、ヨコミネ式って何?と改めて気になって読んだこちらの本。
著者の横峯吉文さんは、鹿児島県で3つの保育園を経営し、どの保育園でも園児達が卒園までに平均2000冊の本を読み、年長クラスの子が10段の跳び箱を飛べるようになり、4歳までに全員が絶対音感を身につける・・・という驚きの教育法を編み出した方。
今では、それをYYプロジェクトと名付け、全国の保育園・幼稚園に広げています。
導入園はこちらで検索できます→ヨコミネ式教育法オフィシャルサイト
我が家は共働きなので、保育園に入れるかどうかが最重要事項でした。
保育園を選べるような状況ではなかったので、こんなスーパー保育園があるなんて全然知りませんでした・・・
スパルタではなく子供のやる気を最大限に引き出した結果
どうやってスーパー保育園児を作り出したのでしょう?
そもそも、3歳児、4歳児にスパルタ教育は通用しない、と著者。
スパルタ的なことをすれば、3歳児は、その日で嫌になって翌日から保育園に来なくなってしまう。
これは、子どもたちの「やる気のスイッチ」を入れてあげた結果。
大人を想像するレベルをはるかに超えて、子どもたちは驚くほど伸びる、と。
著者は「やる気のスイッチ」を4つ挙げています。
スイッチ1 子供は競争したがる
スイッチ2 子供は真似をしたがる
スイッチ3 子供はちょっとだけ難しいことをしたがる
スイッチ4 子供は認められたがる
やる気のスイッチを押すだけでなく、楽しめる環境も用意するのも大事。
体操も、ラジオ体操ではつまらない。
ジャングルジムから飛び降りるとか、幅の狭いブロックを上に立たせるとか、「遊び」の延長として取り組み始める。
著者が保育の現場で、子どもたちを観察し尽して編み出したのがヨコミネ式だったんですね。
文字を教える時も、書くのが難しい「あ」からではなく、漢字の「一」から書かせるといったヨコミネ式95音という独自の教材をも作り出しています。
計算練習帳もいろいろな工夫がされています。
残念ながら、これらの教材はYYプロジェクト導入園のみに販売しており、個人販売はしていないそう。
ただ、家庭教育のために、親を指南するDVDブックが出ています。
今後、第4弾「体操」、第5弾「音楽」を予定している、とのこと。
我が子は、もう読み書き計算はある程度できるので、体操と挫折中の音楽の教育法を是非知りたいですね〜。
自閉症の子も
Youtubeでヨコミネ式保育園の動画を見た時は、発達の遅い子や、まして障害のある子はついていけないだろうなぁ、と思いましたが、意外にも障害児は歓迎していると著者。
自閉症といわれた男の子が「読み・書き・計算」でスイッチが入り、5歳には自閉症とは誰からも思われないくらい友達付き合い、勉強、運動もできるようになったというエピソード、小脳の障害で歩くこともできなかった女の子のエピソードが紹介されています。
著者は、子供たちの20年後を見据えて教育しています。
20年後、単純労働はロボットに取って代わられ、「並の頭」では低賃金の外国人労働者に取って代わられてしまうだろう、と。
だから、高度なテクノロジーが中心となるビジネスの世界でも生き残っていけるよう、「読み・書き・計算」を早いうちに習得させているのです。
今の幼児教育は、「読み・書き・計算」をさせず、ただ単に遊ばせておくというスタイルが多くなっています。
幼稚園・保育園に机も用意せず、机に向かって座る習慣もつけてくれない園もたくさんあります。
子供たちは、机に向かって座る習慣もなく、ひらがな、カタカナの五十音も読めない状態で、小学校に入っていきます。
小学校では、1日4時間は座っていないといけませんし、文字が読めないと授業についていけません。
子供たちが立ち歩いて学級崩壊になってしまうのも、1年生になってすぐ落ちこぼれて不登校になる子が出るのも、小学校との連動性を考えていない「幼児教育」に原因があると考えている著者。
まったく同意です。
我が子が通う保育園も、読み・書き・計算は全く教えてくれません。
机を使うのも食事の時だけ。
以前出席した保護者と保育園の懇談会で「子供が文字に全く興味を示さない」と嘆いた親に対して保育園の先生は「今はまだ無理に教えなくて大丈夫ですよ。」と言うばかり。
文字が読めないまま小学生になったら、どうなるのでしょう?
共働き家庭の場合は、子供は一日の大半を保育園で過ごすことになります。
遊びの中で、集団での競争の中で、読み・書き・計算・音楽・体操の能力を伸ばしてくれたら、いいですよね。
待機児童問題、保育士不足の中、保育園を選ぶなんてことはできない社会環境なのもいけないのだと思います。
保育園を選べるようになれば、経営のために保育園自体が自助努力を始めるでしょう。
今更保育園を転園することはできないので、家庭教育を充実させるしかありませんが、保育園選びは重要だったなぁ。
著者は、小学校生が通う学童も運営していますが、自主学習が身につくような指導をされているのだそう。
学童選びを頑張ろうかな。。。
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