先日読んだ父と娘の中学受験記『-わが子を勝ち組にするための珠玉の方法論-中学受験Bible』が非常に面白かったので、別の中学受験記を読んでみることにしました。
こちらの本は、放送作家の高橋英樹さんとTBS報道局に勤務する妻、牧嶋博子さんの長男が中学受験で第一志望に合格するまでの実録。
2000年初版なので、中学受験事情は今と変わっているかもしれませんが、どんな風に父親が関わったのかは参考になります。
遅れた出足
著者が山形県出身、妻が神奈川県出身で、夫婦ともに中学受験を経験していません。
しかも、共働き。
中学受験を知らない、共働きという点で我が家と一緒です。
こちらの夫婦、はじめは息子を公立の中学に進ませるつもりでした。
でも、小学校4年生で学童保育がなくなり、学童の代わりとして放課後に塾に行かせるようになったのをきっかけに中学受験への道へ進むことになります。
父親の関わり方
まずは塾選びが親の責任だと著者。
長男は、小学4年生で学童代わりに日能研に通うものの、スパルタシステムに馴染めず5年生で大手の個別指導塾に変更。
さらに、6年生の時に、受験指導に対して不信感が募り、そこの塾にも別れを告げ、早稲田アカデミーへ。
塾によって進度が違うので、学習漏れがないよう、同じ塾に通い続けるのが本来は良いようで、塾選びを失敗した、と著者は反省しています。
そして、親の責任の二つ目、志望校選び。
情報収集は親がしてあげないと、12歳の子供にどこの中学に行きたいかを調べさせるのは難しい、と。
著者の長男は、最初、自宅から近い駒場東邦を第一志望にしていましたが、最終的に塾のすすめもあって武蔵中学を第一志望に変更します。
駒場東邦は、長男さんの苦手な算数の問題が非常に難しいこと、駒場東邦コースの塾の先生から「お子さんに向いているのは武蔵中学だと思う」と薦められたこと、がその理由。
第一志望は、子供も納得した上で決めないと子供の勉強に対するモチベーションに関わります。
ご長男さんも、最初は志望校変更に抵抗感を見せなかったものの、6年生の夏休み、「なぜ勉強するのか」「なぜ武蔵なのか」と勉強の動機、志望校への動機が分からなくなって爆発。
塾を休んで武蔵中学に足を運び、雰囲気を感じて納得させることで解決したそう。
学校見学や学校説明会への参加は、5年生のうちに済ませておくべき、と著者は薦めています。
長男のその後
無事、第一志望の武蔵中学に進学した長男。
インターネットで調べると、放送作家の著者には、高橋維新さんという東大出身の弁護士の息子がいるようです。
こちらの本では、2000年度に中学に入学したとありますので、維新さんのプロフィールの1987年生まれ、と年齢的に合致しそうです。
次男も、その後中学受験を体験し、世田谷学園中学に進みます。
次男の顛末記は↓、こちらの本。
先の単行本とは違い、文庫本サイズです。
長男が進んだ武蔵中学と次男が進んだ世田谷学園中学は、偏差値が10ほど違うそう。
次男さんのお話も読みましたが、「同じ親から生まれた子でも、親が同じように積極的に関わっても、必ずしも高学歴とは限らないんだ・・・」と改めて感じました。
そう考えると、子供4人全員、落ちこぼれさせることなく東大理Ⅲに進学させた佐藤亮子さん、すごいなぁ。
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