ウチは共働きなので幼児教室に通うのは難しいですが、家庭でできることはないかと読んでみたこちらの本。
著者は、東京英才学院という幼児教室・小中高個別指導学習塾の代表をされています。
こちらの本では、知能指数とは何か?知能を伸ばすとはどういうことなのか?分かりやすく解説されています。
知能指数を示すIQ、頭の良さを示す数値?となんとなく思っていましたが、実際の月齢よりどれだけ先の問題を解けるか、という指標だったんですね。
改めて調べてみると、Wikipediaには、『「生活年齢と精神年齢の比」を基準とした従来の方式と、「同年齢集団内での位置」を基準とした方式がある。』とありました。
こちらの本では、従来方式で解説されています。
知能を24に分類
知能を伸ばすということは、どういうことか?
知能を24に分類する知能因子論が紹介されています。
知能領域を図形、記号、概念の3分類に分け、知能活動を記憶の記銘、記憶の保持、記憶の再生、受容的思考、集中的思考、転換的思考、拡散的思考、表現的思考の8分類に分け、それぞれの掛け合わせ(3×8)で24分類に分かれる、というものです。
さて、調べてみると、知能の分類も知能指数と同じように色々な方式があるようです。
こちらの本で紹介されていた知能因子論は、知研式知能構造モデルと呼ばれるもののようです。
知研式知能構造モデルを提唱している知能研究所は、著者の父親が理事長をする団体です。
東京英才学院の前身である吉祥寺教育センターも、著者の父親が始めたものです。
一族で幼児教育を研究しているのですね。
知能が伸びるのは2歳から6歳!?
こちらの本では、ベイレイの知能発達曲線やアヴェロンの野生児の話、1969年にアメリカで行われた保育園での研究、東京英才学院での知能指数の伸び率を挙げて、早期の幼児期の教育がいかに大切かを説いています。
幼児教育の教育者ですからね。
幼児期の教育が重要、と説くのは仕方ないですが、感覚的には、話半分に読んだほうが良さそう、と感じました。
アヴェロンの野生児は、知的障害児だったのでは?という説もありますし、早期に幼児教育を受ければ当面は他の子より学習面で進むのは当然な気がしますし、長い目で見れば幼児教育を受けた子と受けなかった子と差はなくなるんじゃないか?という気もします。
ただ、こちらの本、すべて話半分に、という本ではありません。
この本の良いところは、幼児教室ではどんな方法で、24の知能因子を伸ばすのか、ということを具体的に解説しているところです。
本の半分くらいのページを割いて、具体的な事例が紹介されています。
例えば、「数の分割」を遊びながら教える方法。
まず、子どもの前におはじきを5個並べ、何個あるか数えてもらう。
次に、子どもに見せないようにしながら、大人がおはじきを右手に2個、左手に3個握り、それぞれの手をグーにする。
子どもには、どちらの手にいくつ入っているかわからない状態で、右手だけを開き2個あることを示す。
そして、グーのままの左手にいくつあるか子どもに当てさせる。
子どもの「隠れているものを見たい!」という探求反射を利用した遊びなのだそう。
数の分割遊びをしていれば、足し算、引き算もすんなり理解できそうですね。
子どもの小学校受験を考えている親や、遊びの中に知能を伸ばす学習を取り入れたい親にはとても参考になる本です。
コメント