脳外科医が書いた育児書ということで読んでみたこちらの本。
著者は、「脳低温療法」を開発し、救命救急センターで多くの脳を救ってきた方。
脳科学を基にして、アスリートに勝負脳を指導するなど、自己啓発にも力を入れています。
ただ、こちらの本、理論が多く小難しい。。
もう少し分かりやすい本はないかと探したら、ありました!
子供の才能は3歳、7歳、10歳で決まる、という基本的理論は同じ。
より平易に、噛み砕いて理論を説明してくれています。
脳の発育プロセス
子供の脳は、4段階の発育プロセスがあるのだそう。
第1段階は、0〜3歳。
脳細胞数が急速に増える時期。
第2段階は、3〜7歳。
いったん増えた脳細胞数が間引きされて減る時期。
第3段階は、7〜10歳。
脳細胞数は一定となり、学習により情報伝達回路が増加する時期。
第4段階は、10歳以降。
大人の脳とほぼ同じになる時期。
さて、これらの時期の子どもの脳を、親がどう育てていけばよいか?
0〜3歳の間は脳細胞がまだ増えつつある時期。
機能的にも構造的にも、未完成の状態にあります。
まだ未熟な子どもの脳がまずお母さんに求めているのは、ムリに知識を教え込まれることではなく、「気持ちが伝わる脳」を育むことです。
育脳の土台ともいえる「気持ちが伝わる脳」が十分に育っていなければ、そのあとに伸びてくる「間違えない脳」「勉強ができる脳」「才能を発揮する脳」も、うまく育ってこないのです。
0〜3歳の時期は、「気持ちが伝わる脳」を育むために、お母さんが気持ちを込めて、子どもとの会話やコミュニケーションを重ねていくことが大切です。
気持ちが伝わるように会話するには、叱り方も重要、と著者。
「子どもの脳が望まない叱り方」を続けていると、お母さんとしては、「いい子に育てよう」と思って叱ったつもりが、思いもよらない、真逆の結果を招いてしまうのだそう。
子どものやる気を育てるためには、叱らない子育てをしよう!と説く育児書を多く見かけますが、叱らないことは、素直な伸びる脳を育てるための第一歩なんですね。
どの育児書も同じことを言っているのかもしれませんが、脳を育てるため!、スポンジのようにグングン吸収できる天才脳を育てるため!と考えると、子どもにかける言葉の重みが分かりやすいですね。
その他にも、脳の特性に基づく注意点がいろいろ書かれています。
その一部を紹介しますと、、
「コツコツ努力をすること」は一見、成果が上がる方法に思えます。
しかし、そこには脳のしくみによる落とし穴があり、コツコツと努力を積むほどに、「失敗しないように、確実に、慎重にやろう」という、「自己保存の本能」を過剰に働かせてしまうことになります。
すると、集中力が落ちるうえに、「大体、できた」「まあいいか」という、脳のパフォーマンスを下げるしくみにハマってしまうのです。
「大体、できた」は、天才脳を育てるには間違った習慣だそう。
脳は新しい情報に反応するクセがあるため、「大体、できた」という状態で次のことをしてしまうと、前のことを忘れてしまう。
勉強しても勉強しても成績が上がらないのは、次々と新しい知識を学習して、前に勉強した不完全な情報を忘れているから、なのだとか。
こちらの本、育脳のために親がすべき事として、それほど難しいことは書いていません。
日常生活にすぐに取り入れられる、ごくごく一般的なことばかり。
でも、本質をしっかり理解して行動するためには、何度も読み返したほうがよさそう、と感じました。
「大体、分かった」では、脳はすぐに忘れてしまうってことですからね。
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