マエケン流ゆとりとは!?/『ゆとりの美学』レビュー

バラエティでの明るいキャラクターでおなじみのマエケンこと前田健太さん。
「ゆとりの美学」というタイトルが目を引いて、手に取ると前田健太さんの著書でした。
野球のことはあまり知りませんが、トップアスリートの考え方を知りたくて読んでみることに。

小学生から野球を始め、中学時代には日本選抜チームのメンバーとして世界大会に出場し優勝、MVPに輝く。高校時代にはPL学園で活躍。「桑田二世」と呼ばれる。プロ野球に入団後は、最多勝2回、最優秀防御率3回、奪三振王2回、沢村賞2回、ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞5回を受賞。2016年からメジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースへ。
といった輝かしい経歴。

はたから見たら順調、順風満帆のようにも見えますが、この本からは、やはりいろいろな悩みや苦労を乗り越えてこられたんだなぁ、意外にあがり症でネガティブな一面もあるんだぁ、とマエケンさんの人となりが伺えます。

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ゆとり世代

マエケンさんは1988年生まれ
ゆとり世代のど真ん中。
1988年生まれは、傑出した人材が多いとTV番組にもなったほど。
スポーツ選手では、田中将大投手、斎藤佑樹投手、坂本勇人さん、卓球の福原愛さん、サッカーの内田篤人さん、陸上の福島千里さん、スノーボードの國母和宏さん、など。
芸能人では、佐々木希さん、堀北真希さん、吉高由里子さん、戸田恵梨香さん、榮倉奈々さん、大島優子さん、新垣結衣さん、黒木メイサさん、菜々緒さん、松坂桃李さん、東出昌大さん、濱田岳さん、窪田正孝さん、などなど。
調べると、へ〜この人も1988年生まれだったんだぁ、と知っている名前がどんどん出てきました。
ゆとり教育は失敗だったと今は脱ゆとり教育に方向転換されていますが、これだけ活躍されている人が多いとなると、あながち失敗ではなかったのかも!?

投げ込みをしない!?

マエケンさんの話に戻りましょう。
一番驚いたのは、「投げ込みをしない」こと。
野球ファンなら当然知っているのかもしれませんが、投手は投げ込みをして自分の感覚を磨いていくものかと思っていました。

僕は、「単に前例に従ってばかりでうまくなるわけがない」という考えの持ち主です。
代表的な例を上げれば、”投げ込みをしないこと”もそれにあたります。
子供の頃からずっとピッチャーをやってきているわけですから、投げるスタミナがないわけではありません。
投げ込みをしたからといってスタミナが養われるわけでもなく、むしろ、年齢を重ねるたびに肩は消耗していくもの。
ピッチャーにとって投げる力と同じくらい投げ方も重要です。
ピッチングフォームがしっかりしていれば、自分が思い描いたボールを投げることができる。
だったら、ブルペンでは自分のフォームを思い出す程度に投げればいい。

とはいえ、プロ野球でも投げ込みは当たり前。
コーチに指示されるわけです。
そんな時はどうしていたか?
マエケン流の処世術が素晴らしい!

本当は投げ込みをしたくない。
でも、入団していきなり「僕は投げません」とコーチの意見に背いたら「前田は生意気なヤツだ」と思われてしまう。
だから、最初のうちは投げ込みもしました。
正直、ストレスは感じていましたし、投げ込みをすることで心に余裕がなくなっていった気もします。
では、どうしたのか?
答えは簡単です。
それ以外のことを誰よりも一生懸命やる
例えば、ランニングの量を増やす。
タイムトライアルで必ず時間内に走りきるのは当たり前。
可能な限りトップでゴールする。
若い時期は、雑用やグラウンド整備などもさせられますが、それも一切手を抜かない。
自分の信念に基づき正しく行動していれば、若手であっても上の人たちはその声に必ず耳を傾けてくれるものです。
なぜ投げ込みをしたくはないのか?
やるべきことをこなした上で、その理由をしっかり主張すれば、コーチも「分かった。じゃあ、自分の思うようにやってみろ」と言ってくれるようになる。

こちらの本では、その他も野球界の絶対的な上下関係の中でどうやって生き抜いてきたか、マエケン流世渡り術が満載です。
投げ込み練習の指示も笑顔で「はい、分かりました!」と返事をする一方、ブルペンキャッチャーに球数をごまかしてもらう、プロ野球OBたちのアドバイスもその場は笑顔で受け入れる、PL学園時代の厳しい練習での見つからないサボり方、などなど。
誤解を恐れず本に堂々と書いてしまうところ、すごいですね。
マエケンさんの信念を感じます。

最高のパフォーマンスを生む「ゆとり」

こちらの本の「ゆとり」、ゆとり世代の「ゆとり」の意味もありますが、最高のパフォーマンスを出すには「ゆとり」が大事、という意味もあります。

記憶に残る1球があります。
今思い返してもそれまで体感したことがない不思議な感覚でした。
10年4月8日、神宮球場で行われたヤクルト戦のことです。
3回、1アウト一塁で田中浩康さんを打席に迎え、2ストライクと追い込んでの僕の狙いはこうでした。
「力を抜いて投げよう。外角の低めに8割くらいの力でしっかり投げよう。それでヒットを打たれたら仕方ない」
もっと極端に言えば「打ってください」と投げたかもしれません。
いっそのことヒットを打ってもらい、次のバッターで勝負したほうがいいんじゃないか。
それが、自分でも驚くくらいの素晴らしいボールを投げることができたのです。
自分で投げたボールなのに、一瞬、自分を疑ってしまうような。
少し技術的なことを言えば、腕の振り、リリースポイント、ボールの回転など、全てが完璧といえるくらいのボールだったのです。
田中浩康さんへ投げた1球は、まさに余裕の産物。
時には力を抜くことが必要なのだと証明されたような1球。

アスリートは、こんな風に試合の中で飛躍のきっかけを掴んでいくのか、と驚きました。
緊張している時よりリラックスしている時の方が頭も体も100%の力を出せる、とよく聞きますが、マエケンさんは力の抜き方を試合の中で見出したのですね。

奥様の成嶋早穂さん(元東海テレビアナウンサー)のお話も出てきます。
娘さんのお話はまだ幼いせいか出てきませんでした。

こちらの本、野球を全然知らない人でも楽しめる本でした。
2017年もメジャーリーグでの活躍を期待しています!

マエケンさんのオフィシャルブログはこちら→no rain, no rainbow
ブログにはプライベートな面を見せたいと意識している、と本の中で語られていました。

2016年6月にはインスタグラムも始めていらっしゃいます。

フォロワー316.2千人、フォロー中88人、投稿486件 ― 前田 健太 (kenta maeda)さん(@18_maeken)のInstagramの写真と動画をチェックしよう

ちなみに、奥様のオフィシャルブログはこちら→前田家の食卓

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