大人でも間に合う!/『親に壊された心の治し方「育ちの傷」を癒す方法がわかる本』レビュー

毒母、毒親、モラ母、最近そんな単語を耳にすることが多くなりました。
意外に多くの人が抱えている「育ち」や「親」の呪縛。
育っていく中で歪んでしまった心を取り戻す方法が紹介されているのがこちらの本。

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育ちの傷は克服できる

著者は、10代のシングルマザーの貧困家庭に生まれ、さまざまな虐待やパートナーからのDVを経験しています。
紹介されている生い立ちは壮絶なものです。
でも現在は、「育ちの傷」を克服し、一般社団法人WANA関西の理事長として「どんな家に生まれようと、人は生まれ変われる」との信念で、虐待経験者の支援を続けていらっしゃいます。
虐待経験者が自己の歪んだ心を矯正し、勉学に励んで虐待からの克服プログラムを開発した、その一言一言に重みが感じられます。
勉学だけで実践を伴っていない人の本は、心に刺さらないことが多いですが、一般論ではなく、机上の空論でもないこちらの本は、一読の価値ありです。

虐待の定義

さまざまな虐待を見てきた著者が、虐待はどんな家庭でも起き得ると警鐘しています。

人の能力を最も伸ばすのは『良好な人間関係の中で安心して育つこと』です。
したがって、それに該当しない子育てはどんな呼び方をしようとすべて虐待です。

子どものため、教育のため、しつけだから、と親が強権を振りかざし、子どもが自尊感情を持てずに育ってしまった場合も、それは立派な虐待だと著者は述べています。

「育ちの傷」は、ただ生きてさえいればそのうち時間が癒してくれるような甘いものではありません。
くり返しくり返し自分の思考を占拠しようとする、怒りや不安などの否定的な被害的な思いとの闘いに勝たなければいけません。
それに要する時間は、その人がこれまで生きてきた、被害を受けてきた年数だけ必要だといっても過言ではありません。
しかし、「出口」はあります。

それが、著者が開発した、SEP(Self-Esteem Program)と呼ばれる、認知行動的アプローチをベースにした短期の自尊感情回復プログラムです。

自尊感情回復プログラム

こちらの本では、プログラムの具体的な課題内容や、実際の様子が50ページにわたって詳しく紹介されています。
その中で一番驚いたのは、プログラムの中で一番時間のかかるワークは「自分をほめる」という課題だということ。
ほめられた経験のない、「育ちの傷」を抱えた人にとって、大人になってから自分をほめる言葉を口にすることは相当ハードルが高いのだそう。
自分をほめる言葉を言うように指示されても、ひとつも口にできない場合は、「書く」ことでくり返しくり返し自分をほめ、自尊感情を回復させる訓練をするそうです。
自分をほめることができないなんて、なんと不幸なことでしょう。
だいたい人は自分に甘いものです。
『自分はこんなに頑張っているのに、周りが悪いからうまくいかないんだ』と考えがち。
自分には甘く、悪い原因を周りに求める考え方は、また自分のことは棚に上げて、、、と非難されそうな考え方ですが、一方で、自尊感情が育っているとも言えるのかもしれません。
自尊感情が持てずに育った人は、すべて自分が悪いから、と常に考えてしまうそうです。

さて、一般社団法人WANA関西は、21年前に著者が個人事業主として始められたものです。
WANAは、We Are Not Alone(わたしたちはひとりじゃない)の頭文字。
著者の温かい思いが感じられます。
オフィシャルページはこちら↓

WANA関西 社会的弱者のエンパワメント研究と精神福祉サービス(自立生活訓練)

著者(代表者)のお写真も掲載されています。
日本電産の永守重信会長のように寄付できる余裕があれば是非応援したい団体ですね。

日本電産の永守重信会長のニュースはこちら→「全部使ってあの世に」日本電産会長、億単位の寄付次々

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