3兄弟が全員スタンフォード大学!/『アグネスのはじめての子育て』レビュー

3人の息子をスタンフォード大学へ進学させたアグネス・チャンさん。
そのアグネスさんが「はじめての子育て」というタイトルの本をお書きになっていたと知り、読んでみました。

長男さんや次男さんが小さい時に書かれたのかな、と思いきや、「まえがき」から予想をくつがえされます。

私にはいま、21歳、18歳、11歳になる男の子がいます。

はじめてじゃないやん!上の子が21歳で3人も育ててたらもうベテランでしょ〜、とつっこみたくなる気持ちを抑えて読み進めます。

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兄弟の扱い方

子どもが二人以上いると、どうしてもひとまとめにして、平等に扱おうとしてしまいがちです。
でも、なんでも兄妹一緒がいい、というわけでもありません。
うちでは子どもが2歳になると、年に1、2回、その子と二人だけで旅に出るようにしてきました。三人の子どものうち、誰か一人だけを連れて、父親か母親と二人きりになる時間を作るのです。

先日読んだ北斗晶さんの本にも書いてありました。

読んで元気になる!/『北斗晶の”鬼嫁流”子育て』育児本レビュー
北斗晶さんの人生相談。問題の本質をズバッと捉える回答はあっぱれ!読んでいて元気になります。

長男と二人っきりの時間を作るように心掛けた、と。
以前、同僚が「下の子をパパに預けて上の子と二人で遊園地に行った。」と言っていた時、「なんで家族全員で出掛けないんだろう?」と不思議でしたが、謎が解けました。
兄弟がいる子には、親の愛を独占できる時間を作ってあげる、平等に扱うのではなく一人一人と向き合ってあげるというのが今風子育てなんですね。
かくいう私は真ん中っ子で、いつも兄弟がそばにいたので親を独占できる機会は全くありませんでした。
そういうものだと思って育ったので、不満に感じることはありませんでしたが、上も下も上京してしまい、地方の大学に進学した私だけ親元に残され、両親と3人で1年くらい過ごした後、なんだか心が満たされたような不思議な感覚になったことを覚えています。
自分では気がつかなかったけれど、小さいころから親の愛を独占したい、という思いが潜在的にあったのかもしれませんね。
子育てに正解はないと思いますが、兄弟とそれぞれ過ごす時間を作るというのは良いことと言えそうです。
個別に扱うことに対して、兄弟同士のひがみはなかった、とアグネスさん。
むしろ子ども同士も自然に平等になり、成長した後もお互いを認め合い、尊敬し合う、とてもいい関係だそうです。
男の子兄弟って、仲の良いイメージがありませんが、アグネスさんの息子さんたちは『たまに会うと朝まで話をしてもまだまだ話がつきないくらい』仲が良いのだそうです。
兄弟の相性が良かったかもしれませんが、それ以上に親の育て方が兄弟仲に影響しているのかもしれません。

受験戦争を勝ち抜く!

さてさて、アグネスさん、注目の「受験」についても書いていました。

お受験ははっきりいって、子どもにとって大きな負担です。
本来、勉強は受験のためにするものではありません。
どうしても受験競争をさせなければいけないとしたら、中学受験だけが良いと思っています。
なぜなら、12歳から15歳までの思春期のころは、子どもが心身ともに大きく揺れ動く時期です。
そんなときに受験勉強をしなければならないのは、子どもにとってつらすぎると思うからです。

そして、「受験は一種のゲームのようなものなので、”日々、人間として自分が成長していく”という気持ちを親子で共有して一緒にこのつらい時期を乗り越えていくことが大切。」とおっしゃっています。
少し意外な気がしました。できれば避けたい、と思っているとは。
思春期の男の子の扱いが大変だったんでしょうか。
以前、TV番組の中で、「思春期に子どもがイライラしていたときは、”あなたにそういう気分にさせるのはママのせいではなくて、あなた自身のホルモンがそうさせているの。”と子どもに言っていた」とアグネスさんが発言していました。
そんなつらい時期もアグネスさんは、子どもを見放さず一緒に乗り切ったのでしょう。

「がんばれ」とか「やればできる」と言葉だけかけても、子どもにはどうしたらよいのかわかりません。
子どもに何かやって欲しいことがあるなら、親が一緒にやるのがベター。
うっとうしがられるくらい勉強に首をつっこむと、勉強がすることが楽しくなりだし、そのうち一人で勉強するようになる。

4人の子どもを東大理Ⅲに入れた佐藤亮子さんも、子どもと一緒に勉強することを説いていました。
子どもを高学歴にしたいなら、親が相当勉強に首をつっこむ必要があるんでしょう。
「勉強しなさい」と言うだけで、勉強の面倒を見てくれる親は少数でしょう。
私がメルマガに登録している「幼児教室ひまわり」の熊野貴文さんも親の意識の重要さを毎回説いています。

子どもがいじめられていたら、どうする?

さて、アグネスさんの本にもいじめの対処法が書かれていました。
北斗晶さんの本にも書かれていましたから、悲しきかな、小学生以上の子を持つ親は、必ずといっていいほど遭遇する出来事なのかもしれません。

長男が小学生のころ、下校途中に女の子のグループから、ジュースをかけられ、ぶたれて帰ってきたことがありました。
私は、即座に女の子のグループの親御さんたちに電話をし、話を聞いてみることにしました。
すると、ある子は「バックを引っ張ったから、ジュースをかけた」といい、別の子は「じゃれ合っていて、偶然そうなった」と違うことをいうのです。
そこで私は、親子全員集まって、話し合うことを提案しました。
集まった女の子たちに話を聞くと、結局、ちょっとしたいじわるでジュースをかけて、ぶったということがわかりました。
私は女の子一人一人を抱きしめ、責めないように気をつけながら、こういいました。
「うちの子はあなたたちより体も大きいし、力も強いよ。もしうちの子が怒って、あなたを突き飛ばしたらどうする?そのとき、偶然、車が通って、ひかれてしまったら?そんなことになっちゃったら大変だから、もう絶対にあんなことはしちゃだめよ」と。
女の子の親御さんたちも納得してくれて、その後は、二度と同じようなことはありませんでした。

三男の時も子どもと親がみんなで集まって話をしましょう、と提案して解決した、と書かれています。
いや〜、なかなかこんな行動はとれないですね〜。すごいです、アグネスさん。
だいたい担任の先生に相談するっていうのが定番かと思いますが、アグネスさんは『基本的にいじめは、何より親と子が解決するべき問題だ』との考えで、すぐに先生に話を持っていくことには否定的です。
でも、いじめた側の親子を含めて話し合うって難しそうです。
相手の親がヒートアップしたらどうする?と考えると普通、尻込みしちゃいますよね。

30年前、子連れ出勤で大論争を巻き起こしたアグネスさん。
子連れ出勤は悪くない、とこの本でも述べられています。
強い信念のもと子育てをされていたんだ、ということが垣間見える一冊でした。

アグネスさんのオフィシャルブログはこちら→アグネスのちゃんこ鍋

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